2025/06/02 10:06


 いつも聴いているラジオ番組より、紹介されていた映画を観にいってきました。
「ハッピー(幸せ)エンド(死)」という、末期がんの在宅緩和ケアについてのお話です。

 私のことになってしまうのですが、
今から20数年前、高校生のときに母が末期がんで亡くなりました。
当時はまだ、在宅緩和ケアという考え方はなく、抗がん剤投与、病院での治療が中心でした。

 私が中学生の頃に治療を始めており、正直、治療内容のことは子供にはわからず、
ただやせ細り辛そうな母を見ていて、何とかできないかと思いながらも、
多感な時期だった私は、母とぶつかることもありました。

 映画を観て、こういう最期を迎える方法もあるのだなと思いました。
それぞれ好きなように生きて最期を迎える。身体は低下していくけれど、心は軽く。
 
 母の看病は、大人の事情の汚い部分を見てしまったり、医療現場の嫌な部分があった時代だったので、
母も自宅で最期を迎える選択肢があったら良かったな、と思いました。

 映画の中で、「ありがとう」と感謝を伝えることの大切さを萬田先生が仰っていたのですが、
伝えると、もうお別れのような気持ちになり伝えにくいこともありますが、
やっぱり言葉で伝えられることが、後で悔やむこともないと思いました。

 私も、母が亡くなった後、伝えたかった言葉がたくさんあったと後悔していました。
母とぶつかってしまって心無いことを言ってしまったことも、
母の好きにな物をもっと食べてもらいたかったことも。

 エンディングテーマ ウルフルズ「笑えればV」
「誰もが みないつも 満たされない思いを 胸の奥に抱いたまま 歩き続けていく」

 こうやって、誰もがみな、今日も生きていくのだなと思いました。